とある会社の色んな恋



何何何!?

もしかして、
キスする感じなの?
こんなところで?
え?待って…



「そのピアス、
かわいいですね」

目を閉じかけたけど、
原田君は私のピアスを触っただけだった。

「あ…ありがと…」
な、何なのもう…
「柿川さん、顔赤くないですか?」
「そ…そうかな…」
慌てて手の平で顔を扇いだ。
顔熱い。絶対赤い。

「あれ?
いつもだったら
『上司をからかわないの!』
って言いそうなのに。あはは!」

原田君は楽しそうに笑ってる。

こうなるとわかって、
わざとピアス触って…もう。



でも、すごくドキドキした…。



「ねぇ、どっちがほんとの
柿川さんなんですか?」


原田君の真剣な眼差しから、
私は目を背けた。


答えたら
何かが終わってしまいそうだったから。




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