とある会社の色んな恋



原田君が探していたのは
難しそうな歴史の本で、
私は全く興味がわかなかったけど、
原田君のすぐ横に立って、
目についた一冊を手に取って
開いてみたりした。


「無理しなくていいですよ。
好きなもの見てきて下さい」
「別に無理してないよ。
面白そうだし」
「あはは。
見たらわかりますよ」
と言われて、雑誌のコーナーに移動した。

優しいな…。
私のことちゃんと気遣ってくれて…。




夕食はちょっと高めの
フレンチレストランを
予約してくれていた。

「原田君と言えば、
居酒屋でワイワイってイメージだった。
ごめんなさい」
「まぁ、大人数の時はそっちの方が、
楽しいですけどね。
僕は静かで落ち着いた食事の方が好きです」

原田君はニコっと笑った。
いつものかわいいピュアな笑顔。

「私も、落ち着いてる方が好き」

食事の時も、少し驚いた。




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