とある会社の色んな恋
突然真横からピンクの物体が現れて、
私は驚きで飛び上がった。
「すみません、
驚かせてしまって」
原田君だった。
私にパックのいちごミルクを渡すと、
どこからか椅子を転がしてきて、
私のデスクの横につけた。
「これと交換。
いいですか?」
原田君は笹川さんが淹れたコーヒーを指さす。
「いい…けど…
原田君、どこから出てきたの?」
「あぁ、外にいました。
みんなが出るの待ってたんで」
「なんで?」
「柿川さんと二人きりになりたくて」
原田君はニコっと笑う。
もう、やめてよ…
本当は私に呆れてるんでしょ。
私はいちごミルクのパックの穴に
ストローをさした。
「よくイタい女って言われる…」
「……どこがですか?」