とある会社の色んな恋
「ううん…」
「木下」
「うん…」
「俺のこと見ろよ」
「え……?」
振り向くと宮森が私を見つめている。
ちょっと茶色い瞳、切れ長の目。
艶のある髪は少しカールしていておしゃれだ。
あれ?宮森って、
こんなかっこよかったっけ?
「やっと目あった」
「……ごめん」
「お前いっつも話しかけると目そらすのなんで?」
「あ、いや…慣れてなくて…」
「何に?」
「男子と話すの…特に、
宮森みたいな陽キャ男子なんて、
今まで関わったこともないし…」
「……」
「目あわすの、緊張するっていうか…」
「でも、池田係長とよく話してね?」