命の玉
中に入ってしばらく歩いたころだった。ぐしゃっ。と柔らかいものがつぶれるような嫌な音がした。前を歩くお兄さんたちにばれないように懐中電灯をハンカチで覆って光を弱くしている。だから何の音かはわからなかった。
足がひどく震えだす。大丈夫、お兄さんたちがいるから、大丈夫と自分に言い聞かせる。
カツン。
足に何かが当たった。軽くていい音。
懐中電灯の光を当ててみる。それは私の2倍くらいの大きさのこけしだった。赤い液体がこびりついている。悪臭が押し寄せてきて吐き気を感じた。
ぐじゃっ。
何かを踏んだ。柔らかくてみずみずしい何か。瞬間、足元から悪臭が漂ってきて顔をしかめる。
とんでもなく嫌な予感。
私は恐る恐る懐中電灯の光を向けてみた。そこにはメガネのお兄さんの死体があった。私が踏んだ部分がつぶれていて、骨が見えている。驚いて覆っていたハンカチを落としてしまって。急に眩しくなって顔をしかめる。
頑張って目を開けると周りに転がっているほかのお兄さんたちが寝転がっている。開いたままの目から、前のような気力は感じない。
…全員、息をしていない。
みんな体の一部がつぶれていて、骨が見えている。においがきつくなった気がした。
さっきまで生きていたお兄さんたちが、どうして死んでいるの?お兄さんたちは、幽霊にやられたの?
怖い。怖いよ。
私はメガネのお兄さんのもとへ駆け寄って声をかけた。
「おにい…さん?」
返事はない。
なんで?どうして返事をしてくれないの?
足がひどく震えだす。大丈夫、お兄さんたちがいるから、大丈夫と自分に言い聞かせる。
カツン。
足に何かが当たった。軽くていい音。
懐中電灯の光を当ててみる。それは私の2倍くらいの大きさのこけしだった。赤い液体がこびりついている。悪臭が押し寄せてきて吐き気を感じた。
ぐじゃっ。
何かを踏んだ。柔らかくてみずみずしい何か。瞬間、足元から悪臭が漂ってきて顔をしかめる。
とんでもなく嫌な予感。
私は恐る恐る懐中電灯の光を向けてみた。そこにはメガネのお兄さんの死体があった。私が踏んだ部分がつぶれていて、骨が見えている。驚いて覆っていたハンカチを落としてしまって。急に眩しくなって顔をしかめる。
頑張って目を開けると周りに転がっているほかのお兄さんたちが寝転がっている。開いたままの目から、前のような気力は感じない。
…全員、息をしていない。
みんな体の一部がつぶれていて、骨が見えている。においがきつくなった気がした。
さっきまで生きていたお兄さんたちが、どうして死んでいるの?お兄さんたちは、幽霊にやられたの?
怖い。怖いよ。
私はメガネのお兄さんのもとへ駆け寄って声をかけた。
「おにい…さん?」
返事はない。
なんで?どうして返事をしてくれないの?