命の玉
私はやっとの思いで家に帰ってきた。
疲れた。早くお母さんに褒めてもらいたいな。私はテストを握りしめて廊下を走った。
でも…
「まあ、なに?この点数!ちゃんと勉強してるの?お姉ちゃんを見習って少しは…」
お母さんは、褒めてくれなかった。頑張って、やっとの思いでなるべく早く帰ってきたのに、遅いって怒られもした。
「うるさいなぁ!」
お母さんは何もわかっていない!
それなのに、全部わかっているみたいに!
私は近所の空き地へ向かった。公園だといじめっ子にあってしまうかも。
部屋を出るときお母さんの止める声が聞こえた気もするけど、止まらなかった。
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