プラトニック ラブ
大事な話
紗南はセイとの交際に警告をする為に、わざわざ学校まで出向いた冴木がとても苦手だった。
「……私に…何の用ですか?」
怯える眼差しは冴木の平常心を刺激する。
「いきなり呼び止めてごめんなさい。大事な話があって貴方に会いに来たの。一方的で申し訳ないけど、少しお時間あるかしら?」
「……」
「身勝手なのは承知よ。でも、今日以外の時間が取れなくて…。話はここじゃなんだから」
紗南は冴木が怖くて身体の震えが止まらない。
隣で異変を察知した菜乃花だが、冴木の威圧的な雰囲気に口を黙らせる他ない。
「わかりました。特に用事もないし時間は大丈夫です」
快く返事をした訳ではないが、冴木の『時間がない』という意味を充分理解しているからこそ渋々了承した。