プラトニック ラブ

偽の仮面



「……そうだよな。お前に会えない可能性の方が圧倒的に上だったかもしれない。でも、何故か今日中に会えるような気がして」

「セイくんはそうやって現実から目を逸らす時がある。だから、前日の今日まで連絡をよこしてくれなかった。それに、セイくんに夢があるように、私にも夢があるから」


「夢なら一緒に支え合って行こう。隣で応援するから」

「ただですら人目を忍んで会ってる関係なのに隣で応援だなんて無理に決まってる。本当は恋人として堂々と手を繋いで遊びに行けるような、普通の高校生らしい恋愛がしたい」



無理を言った。
彼が言い訳を出来ない事を先読みして。





本当は彼が傍に居てくれるだけでも充分幸せ。
それ以外何もいらない。
何も与えてくれなくていい。

ただ、笑顔で私の隣に居てくれれば…⋯⋯。





でも、いまこの瞬間に本音を伝えてしまったら、きっと彼の夢を壊してしまう。

だから本音は封印しなきゃ。



1日でも早く自分を諦めてもらう為に、私は偽の仮面をつけた。

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