プラトニック ラブ

発覚



セイは普通科の教室の入り口に掲げられているプレートを見て、1年生の教室だと判明する。
視聴覚室の先には1年生の教室が2つ並び、その奥は階段で、更に奥は下駄箱。



どうやら、2年生はこのフロアじゃなさそうだ。
階段を使って2階に上がろう。
紗南のクラスがわからないから、階段を上がったら、1クラスずつプレートを確認しないと。



毎週会えていたあの頃に大事な情報を聞き出していれば、ここまで苦労しなかった。
恋を楽しむのに夢中なあの頃の考え方は、全てを失った今は仇となっている。






授業中の静かな廊下には、セイとジュンの足音と小声で言い争う声が響いていた。

進学を目指して高い集中力で勉学に励んでいる普通科の生徒だが、静寂に包まれている廊下に足音が響くだけでも気が散漫してしまう。




すると、気配につられるようによそ見をした女子生徒が、廊下側の小窓からベージュのブレザーを着た2人が廊下を通り過ぎる姿を目撃した瞬間…。

意識を持って行かれてしまったかのように、椅子音を立てて立ち上がった。


ゆっくり上げた右手人差し指は、芸能人オーラを放っている2人へと方向を定めた。



「あーーっ、KGK!ねぇ、みんなー。廊下にKGKが歩いてる!」



叫ぶのも無理はない。
普段はテレビでしかお目見えしない2人を目撃した途端、自動的に口が開いてしまっただけ。

勿論、KGKと連呼した彼女に悪意はない。


黄色い叫び声に反応した生徒達に妙な一体感が生まれたその瞬間、目線は一斉に廊下へと吸い込まれた。

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