プラトニック ラブ
突如と現れた警備員
2階フロアに到着したセイは足を止めて反抗的に口を尖らせた。
「普段通りのお前って何だよ……。俺だって、感情を持つ1人の人間なのに」
言いたい事が直接伝えられなくて焦る気持ちと。
本音を明かさぬままこの学校に1人残してしまう紗南の気持ち。
2つを両天秤にかけてみたら、どちらを優先すべきかわからなくなった。
セイの気持ちが不安定になっていた、その時。
ピピピピーーーっ!!
警笛を鳴らす音が階段下から鳴り響いた。
リズミカルに階段を駆け上がってくる複数の足音もセットで⋯。
セイ達はハッと息を飲み、踊り場の方に目線を向けると、階段下から教師と警備員の2人が逼迫した表情で接近してきた。
目的は、ベージュのブレザーを着た自分達を確保する為。
警備員は生徒達を押し退けて距離を縮める。
しかし、自分達は他の生徒達に包囲されていて、逃げたくても逃げようがない。
3メートル
2メートル…
そして、1メートル……
円の中心部へと入り込んだ警備員は、ようやくKGKの元へ。
セイは警備員の手が触れても捕まるまいと振り払う。
警備員も負けじと手を伸ばして掴みかかる。
しかし、おしくらまんじゅう状態で行く手を阻まれてしまってるせいもあって、あっという間に捕まってしまう。