プラトニック ラブ

お礼の言葉



「俺らには史上最強のダンス講師がついている。アメリカでダンスをモノにして、必ず成功しよう。だから、しっかり前を向いて頑張っていけるように心を切り替えようぜ」

「あぁ」


「悲しいと思うのはこれで終わりだと思うから。でも、これからが本当の始まりと思ったら、少しモチベーションが上がんねぇ?彼女と奇跡的に再会出来たように、頑張った矢先には二度目の奇跡が待ってるんじゃない?」



ジュンのエールを受け取ったセイが俯きざまに考えていると、ジュンは腕時計を見て時間を確認。



「…さ、記者会見の時間までもうほとんど時間がないから、もう行くか」

「やべ…、間に合うかな」



ジュンは覇気のないセイの肩に手を回したまま、校門へと歩いた。






最初はジュンが冴木さんの味方についたと思って裏切られた気持ちでいっぱいになったけど⋯。

大切なのは今だけじゃないと教えてくれた。

ジュンに言われた通り、二度目の奇跡を信じてみるのも悪くない。




だから、俺は…。



「ジュン」

「……ん、何?」


「サンキュ。それと、さっきは酷い事を言って、ごめん」

「別にいーよ。俺らは友達だろ」



さっきは散々迷惑かけたから素直に謝った。



やっぱりお互い人間同士だから、喧嘩をしたり、意見が噛み合わなかったり、気持ちがアンバランスになったりもしたけれど…。

親友のジュンとはこれからも二人三脚で末永く仲良くしていきたい。

< 202 / 272 >

この作品をシェア

pagetop