プラトニック ラブ
心の時計
「そんなに強い想いを寄せているのに、どうして好きと伝えなかったの?」
「それは…、私に勇気がなかったから」
「恋人だったのに?」
「彼が初めての彼氏だったし、ファンからしたら彼は特別な存在だし、気軽に連絡したり、会えたり、手を伸ばせば触れ合えるような身近な相手ではなかった。でも、本当は上手な恋の仕方がわからなかったのかもしれません」
ーーそう、彼は特別な人。
縁がなければ、出会う事のないような雲の上の存在。
だから、何処までが普通の恋愛で、何処からが特別な区域に入るのか、境界線がわからなかった。
でも、それは単なる言い訳で、他の人には簡単に思えるような事が、恋愛初心者の私には少し難しく感じていただけなのかもしれない。