プラトニック ラブ
マネージャーからの提案
留学の話
ーー場所は、テレビ局から車で10分くらい走らせた所にある、ビルの一室にある小料理屋。
冴木は20時半に仕事を終えたばかりのKGKの2人を連れて来店した。
襖で間仕切りされた掘りごたつの和室に通されると、KGKの2人はいつものように横並びで座り、冴木は向かい側に腰を置く。
2月下旬と言えども、まだ真冬のように冷え込み手袋もマフラーも手放せない。
歌手の生命線である喉を乾燥で痛めないようにマスクは欠かせない。
冴木は2人の身体が温まるようにと鍋料理を注文。
料理が届くまで本日の反省会。
それから5分も待たないうちに注文した鍋料理が到着した。
ぐらぐら煮えたぎる鍋に湯気が上がる。
冴木は具材に火が通ったタイミングを見計らい、2人の小皿に具を取り分ける。
2人は早速料理に手をつけ始めた。
食事を楽しむ姿を見守っている冴木は、腹が満たされ始めてきた頃合いを見て話を始めた。
「半年くらい前に一度話した語学&ダンスレッスンでアメリカに留学する件だけど、ようやく話がまとまったの」
冴木の口から突然【留学】という2文字が持ち上がると、食事を進ませていた箸がピタリと止まる。