プラトニック ラブ
勇気の飴
でも、寂しくなるとはいえ自分の気持ちを貫くのは間違ってる。
彼の将来を想ったら、『心配しないで行っておいで』と、大きく構えるのが正解。
私自身も弱気な自分の殻を破らなければならない。
紗南はポケットの中の飴を取り出して袋を破り、口の中に含んで心を落ち着かせた。
「留学……。頑張って行って来て。私の事は何も心配しなくて大丈夫」
「紗南…」
「本音だよ。寂しくないって言ったら嘘になるけど、アメリカ留学はセイくんの夢だったんでしょ」
「あぁ」
「だったら夢はしっかり叶えないと。彼女というより、セイくんのファンの一員として誰よりも応援してるから頑張って!」
「ははっ…。サンキュ」
「大丈夫。私、ずっと待ってる。セイくんが成功する姿を夢見て日本で待ってる」
セイは紗南からの心強いエールが胸に刻まれると、より一層留学への意識が高まった。