プラトニック ラブ
自身の選択
これは自ら選択した生き地獄。
夢を掴むと同時に引き換えになった、ほんの小さな平凡な日々。
芸能界というところは一見華やかに見えるが、俺達はデビューする前も後も苦労と多大な犠牲を払ってきた。
練習生だった俺達にデビューの話が舞い込み、ようやく世に出る準備が整った時。
一番最初に自由を捨てた。
プライベートなんて殆どない。
外に一歩足を踏み出せば、俺達に気付いた人間は当たり前のように撮影会を始める。
誰からも許可なんて下りていないのに。
しかも、芸能人というだけでファンでもない人達からも興味を寄せられてしまい、簡単にシャッターが切られてしまう。
そして、無許可でSNSにアップ。
載せた本人に悪意はないと思うが、俺達の悲痛な叫びに世間は目を向けてくれない。
これは時代と社会が生み出した悪夢。
写真を撮られた瞬間、撮られる側の人間がいつもどんな気持ちでいるのかわからないだろう。
動物園の檻の中にいる動物と変わらない扱いだ。