国の再建のために捨てられたもと皇太子妃ですが強く生きています
「いや。キミのほうが風邪をひくと大変だからな」

「ですが…」

「いいから」

もう一度肩をガシッと掴んで脱がないようにゼスチャーするとオリヴィアはあきらめたのかそのまま上着をかけられたままで庭をそぞろ歩いて行く。

「ノアの誕生日のお話というのは?」

そうか。それが名目で連れ出したんだった。

「皇太子の誕生日だがはじめてのことなので、みなに知らしめるためにも盛大にやりたい。宮廷のホールでお茶会という名目で開催したいのだが、どうだろう?」

「そうですね。陛下の意見に賛成ですわ」

「年頃の貴族の子どもたちを呼んでな。将来の側近なども見つけなければならないし」

「ええ」

「キミも他の夫人たちと交流を深めてもらえたら助かる」

「ええ。問題ありませんわ」

オリヴィアのことだ。そつなくこなすだろう。

「それとオリヴィア」

ここからが本題だ。
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