国の再建のために捨てられたもと皇太子妃ですが強く生きています
ノアは令嬢たちに囲まれて居心地悪そうだ。

さらに、さきほど状況を見にやってきたアドルフとブラッドリーそして、ジュリアンも令嬢たちに囲まれている。
イケメン優良物件は大変だ。

オリヴィアだけがイジワルな夫人たちに囲まれ、攻撃を受けているという次第だ。

まぁ慣れてるからなんてことないわ。

「今日はお楽しみくださいませね。皆さまのお土産もこちらにございます。そういえばこのお菓子。遠方より取り寄せていただいたとか。とても感謝いたしますわ。グランディス夫人」

「え、ええ。ご存じでしたの?」

「はい。グランディス侯爵家が懇意にされているルーミナス商会がとてもめずらしいものを運ぶと有名ですわね。ぜひご紹介いただきたいわ」

「まぁ本当にそう思っていただけるんですの?いいですわ。今度殿下のもとへ挨拶に伺うよう言っておきますわ」

ルーミナス商会はこの夫人の実家が営んでいる大きな商会で将来大きくなる有望株だ。皇室として目をつけておくに越したことはない。

「ええ。お待ちしてますわ。皆さまも召し上がってくださいな。とてもおいしいですわよ」

オリヴィアが言うと、皆が口々に言いだした。

「まぁ本当だわ。うちも取引お願いしようかしら」

「わたくしの夫にも取り寄せるよう言っておきますわ」

ふふ。
これでグランディス侯爵夫人を味方につけることができたわ。
あともう一人。重要人物は…。
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