国の再建のために捨てられたもと皇太子妃ですが強く生きています
何を言ってるのよ。アドルフは。

「何を言ってるんですか?わたしは皇后ではないから不敬罪には当たらないでしょう?」

「え?」

あ、そうだったとでも言わんばかりの顔だ。

「あなたの妻ではないのですから、どんな男性と何をしようが自由なはずです。今回助けていただいたのは感謝しますが…」

「だが、次皇后になるときに具合がわるいだろう?」

「次皇后?」

「ああ。言ったはずだ。俺はあきらめてない。お前を皇后にしたいんだ」

「そんなの…」

そんなの、ただ、わたしの管理能力がほしいだけなんでしょう?
愛してもいないくせになぜ皇后だなんてことにこだわるのよ!

口から出かけた言葉を飲み込む。

「そんなこと…ないと思いますから大丈夫…」
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