国の再建のために捨てられたもと皇太子妃ですが強く生きています

さっさと自分で服を着て支度をすると、呼び鈴を鳴らし、護衛を呼ぶ。

「オリヴィアのところへ行く。侍女が来たらもう起きて庭を散歩していると言っておいてくれ」

「御意」

本殿から東の院まで早足で歩き、オリヴィアの部屋をノックすると、すでに着替えてリビングからノアを剣術の稽古に送り出すところだった。

「陛下。おはようございます」

侍女たちの手前、きちんと礼儀をわきまえたふるまいだ。

ノアは突然朝っぱらから現れた父にキョトンとアドルフを見ている。

「お父様。どうされたのですか？」

「ああ。2人の顔を見たくなってな。ノアは今から剣術の稽古だな。がんばれよ」

「はい」

ノアが出て行くと、アドルフはオリヴィアを誘って庭園へ出た。

「どうかしたの？顔色が悪いわ」