国の再建のために捨てられたもと皇太子妃ですが強く生きています
アドルフは先程ジュリアンが言った「もしや…」の言葉が気になっていた。

その続きが…

ノアの気配がしないと言うことは…

最悪の事態も予想しておかなければならないと言うことではないのか?

そうなったらオリヴィアは…。

強い母の姿を見せているオリヴィアを見やった。

ぐっと拳に力を込める。

いや、何があってもオリヴィアを護るだけだ。
俺は。


「入りましょう」

ジュリアンに促される形で崩れた塀のところから古城へ侵入していく。

オリヴィアも動きやすいように今日は乗馬用のスラックスを履いていたので動きが軽いようだ。

思った通り庭は雑草が生い茂り、もともとは手入れされていたであろう植木の枝も伸び放題。
人が長らく住んでいなかったことがわかる。
城壁はくすんでいて、苔むしているところもあり、本当に魔物が住んでいるのかと思うくらいの勢いだ。
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