国の再建のために捨てられたもと皇太子妃ですが強く生きています

「あんた！何言ってんのよ！さっきから聞いてれば！」

「この女！」

ガクトは再び立ち上がりオリヴィアをとらえようとしたが、アドルフがオリヴィアをガシッと捕まえた。

「おまえの訳のわからない考えを押し付けるな。俺の人生をお前が知っているとでもいうのか？笑わせるな」

「くそっ！この落とし前は付けてもらうぞ。女！」

どうしようもない種族だ。
こんな種族相手にしていられない。

「そこまでだ。アドルフ」

ニヤリと笑ったメナードが見えた。

ふと見やると、ビートルがノアを盾に剣をかまえている。

「ノア！」

オリヴィアの叫び声。

だが、アドルフの耳元に小さな声が響いた。

『ノア殿下は大丈夫。けれどそのままあわてふためく演技を続けてください。そして僕が合図をしたら、床にうずくまり、陛下はオリヴィア殿下を護ってください』

オリヴィアにも聞こえたはずだが、オリヴィアは…