国の再建のために捨てられたもと皇太子妃ですが強く生きています
オリヴィアとアドルフは正式に神殿で結婚式を挙げ、きちんと夫婦となりオリヴィアは皇后となった。

お互い皇帝と皇后としてカルトナーを導くのに忙しくはあったが、2人の時間を過ごすことを怠るわけがなく、次々と健やかな皇子、皇女が産まれ一気に5人の子持ちとなってしまったのだ。

2人の人柄もあって子どもたちはお互い尊敬し合いスクスクと育っていった。

3番目の皇女が今目の前にいるアンティラス夫人の令嬢と同い年で仲が良く、いつも母親たちがお茶をしている間2人で宮殿の庭を走り回っている。

「オリヴィア。アイザックが剣術の稽古でイライジャに負けたとくやし涙を…おおこれはアンティラス夫人」

アラサーとなった今が一番色気たっぷりなんじゃないかと思うほど、毎日のように宮殿に色気を振りまく男、アドルフ皇帝が現れた。

「アイザックは少し頭を冷やすべきだわ。本当にいつもわがままでイライジャを困らせて」

イライジャはブラッドリーとルーシーの息子。アイザック第二皇子と同い年なのでよく遊んでいる。
アイザックはオリヴィアとそっくりで、イライジャはブラッドリーとそっくりなので2人はまるで双子のようだ。
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