国の再建のために捨てられたもと皇太子妃ですが強く生きています
「うわぁ。お母さま!見て!とても大きなベッドだよ」

「そうね。ノア。ベッドの上では暴れちゃダメって言ったわよね?それはふかふかの大きなベッドでも同じよ」

「はい。お母さま」

ベッドの上で飛び跳ねはじめたノアを軽くしかるがそれでもうれしいのか、今度はベッドから降りて、部屋中の豪華な家具の扉をパタパタと開けていくノアをオリヴィアはしんみりと眺めていた。

本来であれば皇帝の息子であるはずなのに、はじめて目にする貴族の屋敷に興味津々だ。
なんともいいがたいやるせなさがオリヴィアを襲う。


アドルフは結局、カルトナー帝国の皇帝に即位した。

弟のランドルフ皇子を即位させようという動きが、ヒーリー公爵側の勢力(保守派)であったようだが、アドルフ側の勢力(革新派)が勝ったようだ。

辞める前に神殿の患者だった情報通の者から聞いた話だ。
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