国の再建のために捨てられたもと皇太子妃ですが強く生きています
彼が長い時間をかけて懐柔してきた革新派と呼ばれる末端貴族たちと裕福な平民たちは、メナード皇后とヒーリー公爵の想像を超える働きをし、アドルフを助けたのだ。

暴徒と化した革新派の平民たちはヒーリーの領地を襲い、ヒーリーの領地民も一緒になって領地に避難しているヒーリーの正妻と息子たちを引きずりだし手中に納めた。
帝都カルトで暴動におびえながらタウンハウスにこもっていたヒーリー公爵家との取引はギルドによってすべて停止され、ヒーリーは孤立していった。

狂ってしまったヒーリー公爵はふらふらと屋敷の外に出てきたところを、革新派の末端貴族に刺され、道端であえなく息絶えた。
それを知った領地民は監禁していた家族たちを次々とさらし刑にしていったという。
メナード皇后のおかげで一時期の栄華を極めたヒーリー公爵家はあっけなく滅亡してしまったことになる。

ガーリア皇帝が死去してからわずか1月の間の出来事である。
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