国の再建のために捨てられたもと皇太子妃ですが強く生きています


「アンティラス先生。僕、テーブルを持ち上げることに成功しました!」

ジュリアンの屋敷にきて3か月が経った。
ようやく冬が明け、庭の木々は新芽をぷっくりとふくらませているものもある。

「そうか。では見せてくれるか?」

ジュリアンは魔力のコントロールだけでなく、礼儀作法も一緒に教えてくれているようで、5歳まで自然にまかせて育てられていた子にしては礼儀がそなわってきたように思う。
オリヴィアは2人の勉強時間はそばにいかないように注意していたが、今日はあまりに暖かく外を散歩していたら、向こうのほうで授業中のようだ。
微笑ましく思って思わず眺めてしまっていた。

いけないわ。
魔力が乱れるからわたしは顔を出さないように言われているのに…。

オリヴィアはそっとその場から離れると部屋に戻った。
< 28 / 195 >

この作品をシェア

pagetop