国の再建のために捨てられたもと皇太子妃ですが強く生きています
結婚をなかったことにするですって?
昨日わたしを情熱的に抱いておきながら?
初夜はなかったと主張しろですって?

ノックス家とのかかわりがあると今後の自分の立場に係るからだろう。

それは、今までアドルフのためにとつくしてきたオリヴィアにはどうしようもなくつらい仕打ちだった。

決めた。
すべて忘れよう。

カルトナー帝国での自分はもういなかったことにして忘れよう。

わたしはライネル王国でつつましやかに生きる。

幸い、ライネル王国には3つ上の兄のブラッドリー・ノックスがいる。ライネル王国に留学中で助かったのだ。
兄と力を合わせれば2人で生きるくらいなんとかなるだろう。


『オリヴィア・アン・アシュハートン』としての1日はなかったことにされた幻の皇太子妃は、カルトナー帝国唯一の公爵令嬢だった自分を忘れ、新しい自分として…生きていくことを、決意した。
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