国の再建のために捨てられたもと皇太子妃ですが強く生きています

4.ライネル王国

「お母さま！うわあ。おいしそうなお菓子がたくさんありますよ！」

「ノア。はしゃぎすぎよ」

ジュリアンの屋敷に来て半年が経った。
もうすっかり夏。

ノアも魔力がかなりコントロールできるようになってきたので、一度外に出てみませんかとジュリアンから提案され、3人でソリアの中心部にある市場に来ている。
ノアは今、オリーブ色の髪に紫色の瞳をした愛らしい少年となっている。
魔力で色を変えているのだ。
そういうことも難なくできるようになったらしい。

ジュリアンがノアに提案してくれた。
おそらくジュリアンは気づいている。
ノアが誰の息子なのかということを。
絶対にバレるわけにはいかないということも知っている。

だから、自分の魔力コントロールを試す機会だから変えてみようと勉強の一環としてノアに勧めてくれたのだ。

ノアは喜んで今いつもと違う自分を楽しんでいる。

ジュリアンに会えたことでノアがこういう場所にも来ることができてよかったとオリヴィアはジュリアンに感謝していた。

「いつも、本当にありがとうございます。きっとあなたに出会えていなければノアはこんな場所に来ることもできなかったですわ」