国の再建のために捨てられたもと皇太子妃ですが強く生きています
このギルドはロゼレムの父が出入りしている場所だ。

そのあと3日待った。

だが何の音沙汰もなく、もうこれ以上は待てない。乗り込んでやろうかと思ったころ、『あなたに客がきた』と階下の使用人が人を連れて来た。

フードを深くかぶっているが…少しやせたかもしれないが…まぎれもなく…

「ブラッドリー。許せ」

思わず出た言葉は謝罪の言葉だった。

フードをかぶったままのブラッドリーはうつむき、プルプルと手を震わせているように見える。

「あなたを…殴ってもいいでしょうか?」

アドルフはブラッドリーから殴られることにした。
彼がこの6年間の間に舐め続けてきた辛酸は計り知れるものではない。

「好きにしろ」
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