国の再建のために捨てられたもと皇太子妃ですが強く生きています
「俺の判断で勝手に教える事はできない。彼女は今…静かに暮らしています。充実した生活を送っている。邪魔をする権利はない」

「何を言ってる。彼女は俺の妻だ」

「ならばなぜあの時放置しておいたのです?確かにあのときは国が混乱していた。それはわかります。だが、何らかの手段はあったはずだ。それをしなかったあなたが今更何を言っておられるのか」

ぐっと言葉に詰まるしかなかった。
それは事実であり、反論はできないからだ。

あのときは本当に自分が生きているのかを確認する毎日だった。
目が覚めて生きていてほっとする。
そんな毎日だったけれど、それでもオリヴィアに連絡を取ろうとすべきだったのかもしれない。

コニーが伝えてくれているものと勝手に思い込み、待っていてくれるものだと思い込んでいた自分が浅はかだった。
コニーに何かあったかもしれないと考えるべきだった。

「それを言われてしまえば確かにそうだとしかいいようがない。だが、お願いだ。せめてオリヴィアに会って説明する機会を与えてくれ」

「……」

黙り込んでいるブラッドリーにさらに言い寄る。
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