国の再建のために捨てられたもと皇太子妃ですが強く生きています
アドルフに再会してから二ヶ月が経った。

あのあと、すぐにでも連れ帰りたいと言うアドルフは、さすが行動が早かった。次の日にはスタンフィールド侯爵家へ出向き、ブラッドリーとオリヴィアの祖母である、スタンフィールド女侯爵へ直談判したのだ。

高齢でありながらも気丈にスタンフィールド女侯爵としての務めを果たしていたが、そろそろブラッドリーに家督を譲ろうと考えていたようで、カルトナーに戻ってノックスを再興させると言い出したものだから、最初はかなり渋っていた。だが、アドルフの熱心な説得に祖母はついに覚悟を決めたらしい。

スタンフィールド侯爵家は恐らくアンネおばさまの息子が継ぐことになるだろう。

オリヴィアのこともアドルフが頭を下げてくれたことが祖母の心を軟化させたのだろうとブラッドリーは言っていたけれど…

東の院から本殿までは結構な距離がある。
アドルフは渋々ながらもオリヴィアが皇后にはならないと了承してくれたが、毎日朝晩は必ず親子3人で食事を摂ることという条件がつけられた。

とは言ってもアドルフは忙しいのだからなかなか食事を一緒にしている暇などあるまい…と思ったのだが…
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