国の再建のために捨てられたもと皇太子妃ですが強く生きています

◇

「お母さま。今日もたくさんの方たちとお会いしたよ。リバー補佐官と、ターナー補佐官と、えっとそれからねぇ・・・」

ノアは寝かしつける時だけ、甘えてくる。

言葉遣いも馴れ馴れしくなり、以前のノアに戻ったみたいになるのだ。

「そうなのねぇ。ノアそんなにたくさんの人に会ったのはじめてでしょう？」

「うん」

「名前覚えられるのえらいわね」

「そんなの簡単さ。けど、ときどき疲れちゃう。僕が寒いっていったら、みんなして火を焚いてくれたり、大きなひざ掛けを持ってきてくれたり、上着をかけてくれたりして、逆に暑くなっちゃったけど言えなかった。僕」

ふふ。
仰々しく扱われることに慣れていないから仕方ないけれど、そのうち慣れるでしょう。