国の再建のために捨てられたもと皇太子妃ですが強く生きています
「そうね。そういうときは、いらないものはいらないとはっきり言うほうがいいわ」

「そんなものかな?」

「そうよ。我慢するのはいいことじゃないし、その人たちもノアが我慢してほしいとは思ってないもの」

「わかった。次からはそうする」

「そうだ。お母さま。あの絵本の続き読んでよ。今日はお母さまの絵本が聞きたい」

いろんなことがあって、さすがに5歳のノアにはたいへんな一日だったようだ。
オリヴィアはノアが寝付くまでずっと一緒にいてやった。

「ノア。がんばるのよ」

スースーと寝息をたてるノアの額をそっとなでる。
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