国の再建のために捨てられたもと皇太子妃ですが強く生きています
制服の仕立ての際も、即位式の際ドレスを仕立てた、アドルフの仕立て屋に頼むと決めずに、職員たちから聞いた腕のいい仕立て屋を何件か呼び寄せてプレゼンさせ、競わせて一番いいところを選んだ。

プレゼンに敗れたところも、次回同じようなことがあったら機会を与えるからと約束し、よりよいものを作ろうとがんばらせるよう仕向けている。

「ところで、オリヴィアとはきちんと話しているのか?まさかこのままの関係を続けるわけじゃあるまい」

「ああ。それはそうなんだがな…」

アドルフとしては、一刻も早く皇后にしたい。
だが、本人はサラサラそんな気はなさそうで…。

「まぁ。気長に待つしかないだろ。6年は長い。オリヴィアは苦労したからな…」

しみじみ言われるとどうすることもできない。
わかっているのだ。
自分が未熟だったと。
オリヴィアに連絡するべきだったのだ。

なのに、しなかった。それは自分の怠慢だ。
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