国の再建のために捨てられたもと皇太子妃ですが強く生きています
あのとききちんと連絡していればこんな関係にはなっていなかったのではないかとも思うのだが…

いや、だがもし連絡していれば足がついてオリヴィアが殺されていたかもしれない。
そう思うとこれが正しかったのかもしれないと思うし…。

「今更後悔しても仕方ない。これからがんばるだけだ」

それしかないではないか。
自分をアピールして、オリヴィアを大事にし、振り向いてもらうまで待つしか…。

「お前らしいな。過去は振り返らない。未来しかみない」

「ああ。過去は変えられないからな」

「そうだな」

ブラッドリーはふと遠い目をした。
ブラッドリーもライネルで苦労をしたに違いないのだ。

「おまえにもいろいろ苦労をさせてしまった。俺のわがままでカルトナーに戻ってきてもらったこと、絶対後悔させないからな」

「アドルフ」

2人の友情は深い。
ブラッドリーは問題ないというように手を振った。

「俺はここに戻りたいと思ったから戻った。それだけだ。お前に苦労をかけられたとは思ってないよ。俺もこの国をよくしたい。それだけだ。自分の母国だからな」

「ああ。そう言ってくれると思ってたよ」

二人三脚の国づくりが今から始まる。
さきほどブラッドリーを補佐官たちに紹介もし終えた。

さぁ。いよいよだ。
いい国を作ろう。
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