保健室で秘密の関係
「お前って好きな奴とかいる?」

「え?」


「答えたくないならいいんだ。あまりに踏み込んだ質問だってのはわかってるんだが、もしいたりしたら俺との関係がよくないんじゃないかって」

「……いるよ」


「そう、か」


100パーセント、自分だって思ってないよね?


「でもね?」

「なんだ?」


「柊君には秘密」

「なっ……。いいのか?それでもしお前の好きな奴に俺とこういうことしてるの見られたら」


「大丈夫」

「ほんとにか?」


「うん」

「そうか。霧姫がそこまでいうなら安心だな」


見られる心配ないもん。だって、目の前にいる人だから。


ここで好きな人が柊君だよって伝えるのは簡単。でも、それだとダメなの。どうせフラれる恋ならば、この関係をずっと続けていたい。


自分からわざわざ壊しに行く必要なんてない。


「柊君、私の血っておいしい?」

「言わなきゃだめか?」


「うん。気になるから」

「いつか聞かれると思ってたが、やっぱ恥ずかしいな」


「なんで?」

「吸ってる張本人向かって感想とか……」


「柊君、かわいい」

「は!?」


可愛いっていうとさらに真っ赤。


よっぽど恥ずかしいんだね。
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