保健室で秘密の関係
「今日はいつもより甘い味がした。ごちそうさまでした」

「どういたしまして」


私が柊君を日に日に好きになっていくキモチが血を通して伝わってる?


抑えきれないキモチ。


行き場のないこの恋情はどうやったら止められるの?


「毎日吸血されて飽きないか?」

「昨日も聞いてたよね」

「あれは嫌じゃないって意味で今回のは違う」


「飽きないって?」

「吸血以外のことしたくないかってことだ。たとえばデート、とか」

「デートしてくれるの?」


「霧姫が望むならな。っていっても、俺なんかとしても楽しくないかもしれないが」

「したい。柊君とデート!」


好きな人からの誘いを断れば次はないかも。こんなチャンスがやってくるなんて。

神様ありがとう!


「そ、そこまで食いつくとは驚いた」

「どこ行く?カフェとか?それともカラオケ?」


「そうだなぁ……俺が行きつけのカフェがあるんだが、そこでもいいか?」

「柊君、行きつけのカフェがあるの?」


高校生で行きつけのカフェがあるとか、なんかカッコいい。けど、私が行きつけのカフェがあるよ! って言ったとしても、背伸びしてると思われるだけ。柊君だからカッコよく見えるんだ。
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