エリート御曹司に愛で尽くされる懐妊政略婚~今宵、私はあなたのものになる~
彼は持っていた湯のみをテーブルに置くと、彼女の両手を取った。
「菜摘、無事でいてくれて本当によかった」
「……っう」
いなくなったことを責められるかと思っていたが、彼の口から出た言葉は菜摘を心配する声だった。
菜摘の手を清貴自身の額にまでもっていき小さく震えていた。
「き、清貴、私……」
清貴の気持ちが痛いほどに伝わってきた。彼をここまで追い詰めていたとは思っていなかった菜摘は自分の行動に深い後悔の念を抱く。
「何も言わなくていい。帰ってきてこい、いや……帰ってきてくれ、頼む」
彼が誰かにこんな形で懇願する姿など見たことない。菜摘は驚きで固まってしまった。彼が真剣に心からそう思っていることは伝わってくる。
菜摘だってできればそうしたい。しかしそれには問題があった。
「でも私、子どもができないかもしれないの。清貴の子ども産んであげられないの」
「それがどうした」
「えっ」
「そんなもの、どうだっていい。子どもも会社もなくたって生きていける。でも、菜摘お前がいないとダメなんだ。生きていけない。生きていけないんだ」
菜摘は清貴にすがるように抱きしめられた。その力の強さに彼のその思いがどれほど強いのかと思い知る。
菜摘は言葉にできない思いをかみしめながら、彼の言葉に耳を傾けた。
「愛してる菜摘」
彼の胸から顔を上げて、視線を合わせる。これまでに感じたことのないほどの強い思いの籠った目に菜摘の胸が射抜かれる。
「最初からずっと愛してた。七年前捨てられた後もずっと忘れられなかったし、一年前菜摘が結婚していないと知ったときも愛してた。ただ、俺のつまらないプライドがいつも邪魔をして「跡取りのため」だとか「工場のため」だとか、理由をつけて菜摘を妻にした」
初めて聞く清貴の本音に、菜摘は驚きで目を見開いた。
「そんなに……ずっと?」
「あぁ、ずっとだ。ずっと好きだったのに、ずっと菜摘以外ほしくなかったのに、ちゃんと伝えられなかった俺が全部悪い。跡取りが必要だからだというつまらない条件や、君のいとこへの嫉妬心で傷つけて本当にすまなかった。何もかも弱い俺が悪いんだ」
「じゃあ。私、清貴のこと、好きでいてもいいの? 本当にあなたの妻になりたいと思ってもいいの?」
「菜摘、無事でいてくれて本当によかった」
「……っう」
いなくなったことを責められるかと思っていたが、彼の口から出た言葉は菜摘を心配する声だった。
菜摘の手を清貴自身の額にまでもっていき小さく震えていた。
「き、清貴、私……」
清貴の気持ちが痛いほどに伝わってきた。彼をここまで追い詰めていたとは思っていなかった菜摘は自分の行動に深い後悔の念を抱く。
「何も言わなくていい。帰ってきてこい、いや……帰ってきてくれ、頼む」
彼が誰かにこんな形で懇願する姿など見たことない。菜摘は驚きで固まってしまった。彼が真剣に心からそう思っていることは伝わってくる。
菜摘だってできればそうしたい。しかしそれには問題があった。
「でも私、子どもができないかもしれないの。清貴の子ども産んであげられないの」
「それがどうした」
「えっ」
「そんなもの、どうだっていい。子どもも会社もなくたって生きていける。でも、菜摘お前がいないとダメなんだ。生きていけない。生きていけないんだ」
菜摘は清貴にすがるように抱きしめられた。その力の強さに彼のその思いがどれほど強いのかと思い知る。
菜摘は言葉にできない思いをかみしめながら、彼の言葉に耳を傾けた。
「愛してる菜摘」
彼の胸から顔を上げて、視線を合わせる。これまでに感じたことのないほどの強い思いの籠った目に菜摘の胸が射抜かれる。
「最初からずっと愛してた。七年前捨てられた後もずっと忘れられなかったし、一年前菜摘が結婚していないと知ったときも愛してた。ただ、俺のつまらないプライドがいつも邪魔をして「跡取りのため」だとか「工場のため」だとか、理由をつけて菜摘を妻にした」
初めて聞く清貴の本音に、菜摘は驚きで目を見開いた。
「そんなに……ずっと?」
「あぁ、ずっとだ。ずっと好きだったのに、ずっと菜摘以外ほしくなかったのに、ちゃんと伝えられなかった俺が全部悪い。跡取りが必要だからだというつまらない条件や、君のいとこへの嫉妬心で傷つけて本当にすまなかった。何もかも弱い俺が悪いんだ」
「じゃあ。私、清貴のこと、好きでいてもいいの? 本当にあなたの妻になりたいと思ってもいいの?」