23時のシンデレラ〜ベッドの上で初めての魔法をかけられて〜
「俺、何やってんだろ……」
深く、吐き出した、後悔のため息に、寝室に入ってきたミャーが、呆れたように、小さく鳴いて返事をする。
美弥は、俺にしがみいたまま、長い睫毛を揺らしていた。目尻には涙が滲んでいる。
美弥が、大切なクセに、美弥の気持ちを無視して、また、無理やり抱こうとしてしまった自分に、心底、嫌気がさす。
ーーーー美弥が、何よりも誰よりも大切なのに。
誰にも見せたくない、渡せない、触れさせたくない。こんなに独占欲の塊が、俺の中に巣食って、美弥は窮屈だろうか。
「……なぁ、本当は、北沢が好きとかじゃないよな?」
さっき同じ質問した時、美弥は、『そんな事、言ってない』と答えたが、はっきりと、北沢が好きじゃない、とは言わなかった。
咄嗟に怒鳴ったが、本当は、美弥に北沢のことを、きちんと聞くのがこわかった。
北沢の想いは、もう美弥に伝えたんだろうか?美弥は、どう思ってるんだろうか。
それに、美弥には言わなかったが、事務所扉を開ける前に、俺は、二人の様子を小窓から見てしまっていた。
幼なじみだから、当然なのかもしれないが、北沢と美弥は、互いに心を許し合っていて、かなり親密に見えた。あんな風に北沢の前で、自然に笑う美弥は、初めて見たように思えた。
俺の前での美弥は、いつもどこか緊張していて、俺に遠慮しているようにも見えたから。
北沢が、美弥を抱きしめるのを見た瞬間、俺の我慢は、限界を超えた。
「自信ねぇな……」
あの北沢のマジな顔は、久しぶりに見た。美弥への想いも本物だろう。
俺は、北沢よりも美弥を想って、美弥を幸せにできるだろうか。
深く、吐き出した、後悔のため息に、寝室に入ってきたミャーが、呆れたように、小さく鳴いて返事をする。
美弥は、俺にしがみいたまま、長い睫毛を揺らしていた。目尻には涙が滲んでいる。
美弥が、大切なクセに、美弥の気持ちを無視して、また、無理やり抱こうとしてしまった自分に、心底、嫌気がさす。
ーーーー美弥が、何よりも誰よりも大切なのに。
誰にも見せたくない、渡せない、触れさせたくない。こんなに独占欲の塊が、俺の中に巣食って、美弥は窮屈だろうか。
「……なぁ、本当は、北沢が好きとかじゃないよな?」
さっき同じ質問した時、美弥は、『そんな事、言ってない』と答えたが、はっきりと、北沢が好きじゃない、とは言わなかった。
咄嗟に怒鳴ったが、本当は、美弥に北沢のことを、きちんと聞くのがこわかった。
北沢の想いは、もう美弥に伝えたんだろうか?美弥は、どう思ってるんだろうか。
それに、美弥には言わなかったが、事務所扉を開ける前に、俺は、二人の様子を小窓から見てしまっていた。
幼なじみだから、当然なのかもしれないが、北沢と美弥は、互いに心を許し合っていて、かなり親密に見えた。あんな風に北沢の前で、自然に笑う美弥は、初めて見たように思えた。
俺の前での美弥は、いつもどこか緊張していて、俺に遠慮しているようにも見えたから。
北沢が、美弥を抱きしめるのを見た瞬間、俺の我慢は、限界を超えた。
「自信ねぇな……」
あの北沢のマジな顔は、久しぶりに見た。美弥への想いも本物だろう。
俺は、北沢よりも美弥を想って、美弥を幸せにできるだろうか。