23時のシンデレラ〜ベッドの上で初めての魔法をかけられて〜
最終章 23時のシンデレラは王子様と永遠に
歓迎会は、予定通り一次会のみで終わり、皆それぞれがタクシーに分乗して帰って行く。
「麻美ちゃんも一緒に乗って帰ろ?」
「あ。ごめん、ちょっとこの後予定あって……」
お酒のせいだろうか。頬を染めた麻美が、恥ずかしそうに答えた。
「成程ね。明日は水曜日だもんね。今から恋人とデートなんて羨ましいな」
千歳が、視線を私に向けながら、そう口にした。見れば、麻美が真っ赤になっている。
「あ。きたきた、じゃあ課長、お先に失礼します。美弥ちゃん、また明後日ね」
麻美は、タクシーに乗る込むと小さく手を振った。
麻美が帰った途端に、胸が騒がしくなる。千歳が私の顔を覗き込んだ。
「ね、僕の家に来ない?」
「え?いや……」
「お茶飲むだけ、ね?」
千歳が、手を上げて目の前に停まったタクシーに、私の手を引いて乗せる。
「何?緊張してる?」
「だって……」
タクシーが走り出してから、まだ五分程だが、今、私の隣には、千歳がいて、タクシーの運転手に、千歳が告げたのは、千歳の家の住所だ。胸騒ぎは、動悸に変わっていく。
「あ、の千歳くんの家に着いたら、私、やっぱり、このままタクシー乗って颯の家に……帰るから」
「今日は、颯先輩、実花子と泊まりでしょ?」
「……そうかもしれないけど……」
「そうかもじゃなくて、そうでしょ。だったら、美弥だって、僕の部屋にお茶位、飲みにきてもいいと思うけど?」
そう言いながら、千歳が、私の手をとると、指を絡めた。
「やめ……て」
繋がれた掌から、一気に緊張が走って、頬が熱くなる。
「顔真っ赤、可愛い」
千歳は、お酒が入ってるのもあるが、二人きりになってからはスキンシップがエスカレートしている気がする。
「千歳くん……私……」
ちゃんと言わなきゃいけない。私は……。
見慣れないグレーの五階建てマンションの前に、タクシーが、ゆるやかに、停車した。
「麻美ちゃんも一緒に乗って帰ろ?」
「あ。ごめん、ちょっとこの後予定あって……」
お酒のせいだろうか。頬を染めた麻美が、恥ずかしそうに答えた。
「成程ね。明日は水曜日だもんね。今から恋人とデートなんて羨ましいな」
千歳が、視線を私に向けながら、そう口にした。見れば、麻美が真っ赤になっている。
「あ。きたきた、じゃあ課長、お先に失礼します。美弥ちゃん、また明後日ね」
麻美は、タクシーに乗る込むと小さく手を振った。
麻美が帰った途端に、胸が騒がしくなる。千歳が私の顔を覗き込んだ。
「ね、僕の家に来ない?」
「え?いや……」
「お茶飲むだけ、ね?」
千歳が、手を上げて目の前に停まったタクシーに、私の手を引いて乗せる。
「何?緊張してる?」
「だって……」
タクシーが走り出してから、まだ五分程だが、今、私の隣には、千歳がいて、タクシーの運転手に、千歳が告げたのは、千歳の家の住所だ。胸騒ぎは、動悸に変わっていく。
「あ、の千歳くんの家に着いたら、私、やっぱり、このままタクシー乗って颯の家に……帰るから」
「今日は、颯先輩、実花子と泊まりでしょ?」
「……そうかもしれないけど……」
「そうかもじゃなくて、そうでしょ。だったら、美弥だって、僕の部屋にお茶位、飲みにきてもいいと思うけど?」
そう言いながら、千歳が、私の手をとると、指を絡めた。
「やめ……て」
繋がれた掌から、一気に緊張が走って、頬が熱くなる。
「顔真っ赤、可愛い」
千歳は、お酒が入ってるのもあるが、二人きりになってからはスキンシップがエスカレートしている気がする。
「千歳くん……私……」
ちゃんと言わなきゃいけない。私は……。
見慣れないグレーの五階建てマンションの前に、タクシーが、ゆるやかに、停車した。