溺れるくらいの恋を…君に
『え?』

「俺のマンションに泊まるってことの意味」

『え?あ////』

「俺、たぶん…いや、確実に襲うよ?」

『うん、も、もちろん!』

「嫌がることはしない。
でも、俺の理性も限界はある。
好きな女だからいくらでも我慢できるけど、好きな女だから我慢できない」

『わかってるよ━━━━━』



そして、週末━━━━━━━━━

百合愛が会社を出ると、高級車の前で煙草を吸っている水瀬が待っていた。
百合愛の姿を認めると、携帯灰皿に煙草を潰し、助手席のドアを開けて「どうぞ?」と言った。

頷き、乗り込む百合愛。
助手席のドアを閉め、運転席に乗った水瀬はすぐに百合愛の手を掴み引き寄せた。

口唇が重なり、次第に深くなる。
「ンンン…ん…ぁ……」

百合愛は、水瀬のジャケットを握りしめ必死にキスに答える。
苦しくなり、口唇を離さそうとすると水瀬の口唇が追いかけてきて貪られる。

「………ん…はぁ…補給完了…!」
額をくっつけ言う、水瀬。

「はぁはぁ…水瀬く…急にこんな…//////」

「だって、我慢できなかった」
「え?」

「この四日、気が狂いそうなくらい苦しかった」
「水瀬くん…」

「百合愛に会いたくて堪らなかった」
「私も、会いたかったよ!」

「自分でもビックリしてる。
俺、百合愛のことがこんなに好きなんだって。
正直、女なんて簡単に思い通りにできるって思ってたから。
百合愛は、思い通りにならない。
簡単に俺の心持ってくし、ピュアなのに大胆なことするし、不意打ちをして煽るし。
でも、それでも幸せなんだ。
こんな風に百合愛が傍にいることが。
こんなの、初めてなんだ」

「……………私もだよ」

「え?」
「私も、初めて!
こんなに愛されたことも、大切にされたこともなかったから。
だから、私も水瀬くんの為にできる限りのことがしたい!
あ、そ、それでね!」

「ん?」
「ほんとは、もっと後から渡そうと思ってたんだけど………
これ、受け取ってくれる?」

百合愛は、バッグの中から小さな箱を取り出した。

「え?マジで!?
ありがとう!
開けるね!」
丁寧に包みを開ける。

中身は、シルバーのピアスだった━━━━━━
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