溺れるくらいの恋を…君に
「百合愛」
「ん?」

「冬臣と何の話してた?」

「あの…水瀬くん」
「ん?」

「あのね…」
「うん」

「今日、これから水瀬くんの家に泊まりに行ってもいいですか?」

「なんで、敬語?(笑)
いいですよ!大歓迎です!(笑)」



━━━━━━━マンションに向かい、ソファに並んで座る。
「百合愛、抱き締めていい?」
「もちろん!」
両手を広げる水瀬に、抱きつく百合愛。

「んー!百合愛って、いい匂いする~」
「水瀬くんの方こそ!」

「………」
「………」

「んんー」
「ん?水瀬くん?」

「…………コーヒー淹れてくる」
ゆっくり離した水瀬は、百合愛の頭をポンポンと撫で立ち上がる。

「え?」
(なんか…様子が……)

「━━━━はい!」
「ありがとう!」

隣でコーヒーを飲む水瀬を見上げる。
コーヒーを飲む横顔までサマになる。

「カッコいい…/////」
呟く、百合愛。

「ん?」
「あ、う、ううん////」

(キス…したいな……)

「いいよ」
「え?」

「キス、しよ?」
水瀬が顔をゆっくり近づける。
「え?え?」

「え?だって今、キスしたいなっつったじゃん!」
「私、声に出てた?」

「うん。だから、しよ?」
チュッ!とリップ音がして離れる。

「フフ…百合愛のキス顔、可愛い/////」
「ん…水瀬く…も…一回しよ?」

「んー、もう遅いしやめておこう」
「え……」

(やっぱり、様子がおかしい)

「百合愛、風呂入ってきなよ!」
「え?あ、う、うん」

浴槽に浸かりながら、悶々と考える。
(私、何かしたかな?
━━━━━はっ!山城さんとお茶したから?
やっぱ、水瀬くん以外の男の人と二人でカフェに行ったから怒ってるんだ!)

「謝らなきゃ!!」

百合愛は、勢いよく浴槽から出た。

「水瀬くん!」
「あ、出た?
じゃあ、俺も━━━━━━」
「ごめんなさい!!」
頭を下げる、百合愛。

「なんで、謝るの?」
「山城さんとカフェ行ったこと、怒ってるんだよね?」
「怒ってないよ。
ヤキモチは妬いたけど」

「え?じゃあ、なんで……?」

「何が?」

「え?う、ううん…」
< 21 / 40 >

この作品をシェア

pagetop