溺れるくらいの恋を…君に

｢━━━━━つか！なんで、いんの？｣
水瀬が、退き気味に見つめている。

｢いいじゃん！｣
｢みんなで、遊ぼ？｣

ナイトプールに来た、水瀬と百合愛。
現地に着くと、冬臣と同じく会社の同僚の尾田(おだ) 信生(のぶき)、豊橋(とよはし) 麻未(あさみ)、 谷口(やぐち) 美沙緒(みさお)がいた。

｢えーと、水瀬くんの会社の同僚の方だよね？｣
｢あーうん｣

｢百合愛ちゃん、俺達も一緒にいいかな？｣
｢え？うん。構わないよ｣

｢ほら、水瀬！
百合愛ちゃんがいいってだから！｣
｢水瀬、いいだろ？｣
冬臣と信生が声を揃えて言う。

｢ほら、百合愛さん。
着替えに行きましょ？｣
｢え？あ、はい！｣
麻未が百合愛を、更衣室に連れていってしまう。

｢じゃあ、更衣室の出口で待ち合わせってことで！｣
美沙緒も後ろ手に手を振り、入っていった。


｢━━━━なんで、わかったんだよ！？｣
更衣室を見つめながら、水瀬が冬臣に言った。

｢は？｣
｢わからないわけねぇじゃん！｣
冬臣と信生が不思議そうに水瀬を見る。

｢は？｣

｢デスク！｣
｢水瀬、デスクの卓上カレンダーにもろに印つけてたじゃん！｣

｢え？｣

｢で！ここの特集の雑誌が置いてあった｣

｢｢バレバレ！｣｣

｢はぁー、だから！
なんで、来たのかって聞いてんの！！｣

｢百合愛ちゃん、綺麗になったよなぁ～｣
冬臣がしみじみと言う。

｢は？｣

｢冬臣がさ。
そう言うから、久しぶりに会ってみたくて！
でもいくら水瀬がいても、男三人に百合愛ちゃん一人じゃ心細いかなってんで、麻未達も呼んだってわけ！｣
信生と麻未は、恋人同士だ。

｢あり得ねぇ！｣

｢あ、言っとくが！
百合愛ちゃんが綺麗になったって思ってるだけで、水瀬から取ろうなんてこれっぽっちもねぇからな！｣

冬臣にそう言われても、水瀬がどんどん不機嫌になるのだった。



一方の、百合愛達━━━━━━━
｢びっくりしました！｣

｢え？｣
麻未の声かけに、百合愛が麻未を見る。

｢百合愛さん、綺麗になったなぁって！｣
｢え？え？そんな…/////｣

｢やっぱ、恋をすると綺麗になりますね！｣
美沙緒も微笑む。

｢そうですね…！
必死に背伸びしてます｣
｢｢え？｣｣

｢水瀬くんに、つり合うわけないけど……
できる限り、追いつくように……(笑)｣