溺れるくらいの恋を…君に
百合愛達が、更衣室を出る。

水瀬達三人は、逆ナンされていた。


「水瀬くん…」

「百合愛さん、行きましょ?」
「ほら、早く!」

「え?でも…」

「水瀬は、百合愛さんの彼氏でしょ?」

「え?」

「だから、堂々としないと!」

「麻未さん、美沙緒さん…」

「私達は、水瀬と百合愛さんが“つり合わない”なんて思いません」

「え?」

「お似合いだと思います!
容姿“だけ”を見れば、正直…うーんって感じだけど……
そんなの、関係ないし!」

「………ありがとう!」
麻未と美沙緒の言葉に、百合愛は嬉しそうに笑った。


「信生!お待たせ!」

「おぅ!麻未!」
「ほら、彼女達来たから!向こう行って!」

「百合愛!」
「あ/////水瀬くん」

両手を広げ、水瀬が言う。
「ほら、おいで?」

「百合愛さん」
「ほら、行かないと!」

「うん」
タタタっと、水瀬の方に駆け寄ると抱き締められた。
「水着、よく見せて?」
百合愛の肩を持ち、百合愛の全身を見る。

「どう、かな?」
「うん!可愛い!」

「良かった!
水瀬くんこそ、サマになってるよ!」
「そ?」
百合愛が微笑むと、不機嫌だった水瀬もやっとつられるように微笑んだ。


浮き輪をレンタルし、六人はそれぞれプカプカ浮いたりして遊ぶ。

「ライトアップ、綺麗だね!」
「そうだな!結構、凄いな!」

「カップルばっかだな(笑)」
「だね(笑)」
冬臣と美沙緒は、苦笑いだ。

「ねぇ、美沙緒ー
写真撮ってー!」
麻未が、スマホを渡す。

「OK!」
信生と麻未の写真を撮る。

「サンキュ!」
「あ、百合愛さんも撮りましょうか?」

「え?あ、いいですか?」
「もちろん!」
「水瀬くん、いい?」

「いいよ!
じゃあ…抱っこしてやる!」
「え!?
━━━━━!!!?
水瀬くん、は、は、恥ずかし…/////」
プールの中とはいえ、お姫様抱っこをされて百合愛が顔を真っ赤にする。

「でも、周りはもっとスゲーよ?(笑)」

確かに周りはカップルだらけで、ハグしたり、キスをし合ったり甘い雰囲気が流れている。

しかし、百合愛にはハードルが高すぎるのだ。

「撮るよぉ~」

そしてカシャッと鳴る寸前、水瀬は百合愛の頬にキスをした。
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