溺れるくらいの恋を…君に
「百合愛、なんか飲まね?」
「あ、うん」

手を繋ぎ、飲み物を買いに向かう。
「シャンパンとか飲んじゃう?(笑)」
「そうだね!」

(よし!今度こそ、水瀬くんをドキッと!)


しかし━━━━━
「ん!結構旨いな!このシャンパン」

(水瀬くん、綺麗…/////)
百合愛の方が、ドキドキしていた。

ライトに照らされ、シャンパンを飲む水瀬。
もう、それだけで絵になる。

「ん?百合愛?」
「え!?/////」
ジッと見つめていると、不意に顔を覗かれた。

「どうした?」
「う、ううん!」
慌てて目を逸らす。

「んー?なんかさっきから、おかしいよ?百合愛」
「あ、そ、そうかな~!」
「うん、おかしい」
「あ、と、トイレに行ってくるね!
飲み過ぎちゃった!」

パタパタとトイレに駆けていく。

「………
つか、全然飲んでねぇし……」
まだ、口をつけられてないシャンパングラスを見つめて呟く水瀬だった。



「━━━━━あー、ダメだ!私の方が、ドキドキしてるし!
やっぱ、私にはハードルが高すぎる……
そもそも、私が水瀬くんをドキドキさせるなんておこがましいよね……
あーー!もう!」
便座に座り、独り言を呟く。

そして立ち上がる。
「よし!普通にしよう!普通が一番!」

トイレを出て水瀬の方へ向かうと、また逆ナンされていた。

「あ…」
(どうしよう……
さっきは、麻未さん達がいたから良かったけど…
今は一人だし)

「百合愛ちゃん?」
「え?あ、山城さん!」

「どうした━━━━━あぁ…」
水瀬を見て、察する冬臣。

「私の水瀬!って取り返しに行ったら?」

「そ、そんなこと……で、出来ません…!」
「なんで?」

「なんでって……」
(そんなことする自信がない…)

「あのさ!
水瀬の彼女は、百合愛ちゃんだよな?」
「え?あ、はい」

「信じられないかもだけど、水瀬ってちゃんと付き合ったのって百合愛ちゃんが初めてなんだ」
「え?」

「あいつ、柄にもなく“運命の相手”っての探しててさ。
だから、とっかえひっかえ女と付き合ってた。
まぁ…付き合うっつうか、つるむっつうか…」

「そう…だったんだ……」

「あいつにとって百合愛ちゃんは“運命の女”なんだ!
だから、ちゃんと捕まえてろよ!
百合愛ちゃんにしか無理だろ?」

「はい、そうですよね…」
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