溺れるくらいの恋を…君に
元彼
“中屋敷 一路、見つけたわよ”
なずなの連絡で、なずなが住んでいるホテルのスイートルームへ向かった水瀬。


「━━━━━で?何処にいんの?」
「◯◯って工場で、責任者として働いてるわ。
相変わらず、色々汚くて最低な男みたいよ」

「へぇー」
「どうするの?水瀬」

「どうすっかなぁー」

「百合愛ちゃんに会わせたいのよね?」

「………そうだな」

「じゃあ、同窓会でラブラブなとこでも見せつければいいんじゃないの」

「は?」

「どうも、その計画があるみたいよ?
百合愛ちゃんのいた、84期生。
まだ、招待はされてないみたいだけど」

「俺は、大学違うんだけど?」

「でも、迎えに行くくらいはするでしょ?」

「そうだな。
…………姉貴、その前にもう一つやっておきたいことがある━━━━━━」




「━━━━え?一ヶ月も?」
『あぁ、ごめんな。
どうしても、済ませておきたい事があるんだ。
寂しい思いさせるけど、我慢して?』

水瀬はある計画をもって、百合愛に一ヶ月間会えないと話していた。

「…………わかった!
一ヶ月後、会えるの楽しみにしてるね!」
『あぁ!
そん時に、伝えたいことがある』

「わかった!
あ!一ヶ月後は、丁度大学の同窓会があるの。
まだ、行くかどうか迷ってるんだけど……」

『行っておいで?
その時、俺が迎えに行くから』

「でも……一路くん………」

『会って、今は幸せだってことを言ってやれよ!
もう百合愛は、一人じゃないだろ?』

「水瀬くん……
そうだよね!
うん、そうする!」
水瀬の言葉に、大きく頷く百合愛。

(そうだ!今の私には、水瀬くんがいる!)


百合愛は、招待状を“出席”で出したのだった。

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