溺れるくらいの恋を…君に
「ふぁ~」
しばらく他愛のない話をしながら飲んでいると、百合愛からあくびが出る。

「眠い?」
「あ…////ごめん…
楽しくって、バカみたいに後先考えずに飲んじゃった…
もう、いい大人なのに…お恥ずかしい/////」

「泊まる?」

「え…!?」

「あ、変な意味はないよ?(笑)
…………てか!変なことしてもいいけど(笑)」

「あ、いや、今日は、か、か、帰ります!/////
━━━━━━え!!!!?」
バッと顔や耳を真っ赤にして、立ち上がる百合愛。
しかし、かなり酔っていて思うように足に力が入らない。

そのままふらつく。
「百合愛!!?」

間一髪で、水瀬が抱き留める。
百合愛も水瀬にしがみついた。

「………」
「……っぶねぇ…」

「ご、ごめん…」
「大丈夫?
かなり、酔いが回ってんじゃね?」

「そう、みたい…/////」

「やっぱ、泊まって帰ろ?
大丈夫。何もしないから」
「うん…」

「とりあえず、横になれよ」
そう言ってそのまま軽々と抱き上げた。
百合愛も水瀬の首に手を回す。

水瀬の顔が至近距離にあり、百合愛の緊張はピークに達する。
(なんか…いい匂いする…香水かな?)
思わず、クンクンと匂ってしまう。

(………って!私は、変態か!!)

隣のベッドのある部屋に向かう。
ゆっくりベッドに下ろされる。
「大丈夫?」

「あ…////う、うん…!
ごめんね、酔いつぶれるなんて情けない……
自分のお酒の配分、ちゃんとわかってるのに」

「ううん!
楽しんでくれて良かった!
水、取ってくるから待ってて!」
「うん」

しかし━━━━━━━

「え?」
「え?水瀬くん?」

驚いたように百合愛を見る水瀬。
百合愛も、驚いたように水瀬を見た。

「百合愛、手……!」

「え?手?
━━━━━━あ!!?」
百合愛は、水瀬のカッターシャツを無意識に握りしめていた。
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