溺れるくらいの恋を…君に
「ご、ごごご、ごめん!!!」
慌てて離し、謝罪する。

水瀬は、優しく微笑み言った。
「…………
大丈夫。水、取ってくるだけだから!
すぐ戻ってくるよ?
だから、いい子で待っててね!」
そして頭をポンポンと撫で、隣の部屋に向かった。

(私のバカ!!何やってんの!!)
百合愛は、シーツにかぶり自分につっこむ。


一方の水瀬。
「━━━━反則だろ、あれ//////」

すがるようにシャツを握りしめる手。
潤んだ瞳と、上目遣い。

完全に劣情を煽られ、身体が燻ってくる。

(つか、わざと!?
いや、そんな感じじゃねぇし…)

出来ることなら、このまま百合愛を抱きたい━━━━━

でも、辛い恋をした百合愛の嫌がることは絶対したくない。
元彼のように、自分の欲を押しつけるなんてもっての他だ。

好きだからこそ、大切にしたい。
百合愛を、幸せにしたい。


水瀬は、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出すと、天井を仰ぎギュッと目を瞑った。

そして百合愛の元へ戻った。

ベッドに戻り、百合愛の顔を覗くと……
「寝てるし…」
寝息をたてて、百合愛は眠っていた。

ベッド脇に腰掛け、百合愛の前髪を優しく払う。
口唇に目がいく。
エレベーターでのキスを思い出す。

あんな気持ちのいいキスは初めてだ。

ゆっくり顔を近づけ、口唇を重ねた。
(やべ…離したくねぇ……)

夢中で貪っていると、百合愛が“んんっ!”ともがいた。
慌てて離す。

「百合愛」
「………」

「好き、大好きだよ」
「………」

「絶対、離さないからな」
頬にキスをした。
そして頭を冷やす為、シャワールームへ向かった。


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