好きって言ってもいいですか?
席につくなり、注文をしたわけではないのに







ワインがグラスに注がれる。








そんな様子を俺はじっと見ているだけ。









「どうしたの?昌」








俺がさっきから無言だったから、彼女が







心配そうに聞いてくる。






「いや・・大丈夫。





すごいな、このホテル。」






「伯父様とお食事するときはいつもココなの。






あたしもこの眺めが好きだから」








彼女はそう言いながら、大きな窓の外の景色を







見ながら、ワインをコクっと飲む。


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