好きって言ってもいいですか?
「何、言ってるの?昌さんがそんなことするわけないよ。」





「すごい自信だね(笑)




でも、俺見ちゃったんだよね。




俺の姉貴とキスしてる、あいつ」




「えっ・・・?白石くん?」




白石くんの表情や態度が今までの白石くんと違う。




なんだか怖い。




「じゃあ、証拠」




白石くんのポケットから携帯が取り出される。




白石くんの細長い指が携帯を手馴れたように




操作して、あたしの目の前に一つの画面が出される。





そこに写ってたのは、紛れもなく昌さん。




そして、昌さんがキスしてる姿。




女の人が誰だかわからない。




でも、昌さんだっていうのはわかる。




「っ・・・・」




涙が溢れてきた。




「ふぇっ・・・・・」




止めたくても止まらない涙。





「翠ちゃん・・・・」





白石くんの怖かった空気が少し優しいものになった。
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