好きって言ってもいいですか?
「翠ちゃん・・・・」




白石くんの優しい手が




あたしの頭を撫でる。





「もう少し寝てていいよ。




バイト先にはちゃんと電話しといたし。




翠ちゃんのご両親にも連絡したから」




白石くんは、あたしにそう言うと




病室を後に背を向けた。




あたしの目からはそれでも涙が溢れてくる。





「昌さん・・・・」




大好きな人の名前だけが




狭い病室に響いた。
< 305 / 421 >

この作品をシェア

pagetop